一般教育分野
研究室名
外国語分野(原大介教授)   
研究室スタッフ
研究室タイトル
英語の規則体系 (英文法) を 正確に理解し運用する
研究室概略
言語は規則の体系であり、正確な英文読解には英文法に基づいた正確な英文構造の把握が必須である。断片的な文法知識を有機的に結び付け英文法を体系的に理解することにより正確な英文読解や英作文が可能となる。
主な研究テーマ
・日本手話音節の適格性
・日本手話の文末指さしが指示する文法範疇
個別研究テーマ
  • 日本における手話言語の言語的および文化的背景

    原 大介

    2023年度 - 現在

     詳細

    本研究の目的は、日本における手話およびろう者コミュニティに関する言語政策を批判的に検討することです。手話の歴史的変遷を分析することで、口話法と手話法の教育的対立を浮き彫りにしつつ、日本手話が土着の言語として法的承認を得ていない現状を評価します。主な目的には、教員免許や指導法といったバイリンガル教育の実装における制度的課題の調査が含まれます。さらに、用語としての「手話」の曖昧さが教育や政策立案にもたらす混乱を明確にし、地域方言や人工内耳が言語的権利とアクセシビリティに与える現代的な影響について考察します。

    成果:

    2025年度
    「手話に関する施策の推進に関する法律」(通称:手話施策推進法)が、2025年6月18日に成立、2025年6月25日公布・施行された。この法律は、手話を「言語その他の重要な意思疎通のための手段」と位置づけ、国・自治体に対し、手話の習得支援、使用環境の整備、普及啓発や人材育成などの施策推進を求める法律であり、手話をめぐる政策を国レベルで体系化した点に意義がある。しかし、「手話」という用語がどの種の手話を指しているのかが不明である点や、「言語その他の重要な意思疎通のための手段」という表現自体、手話を「言語」として認めているのか、それとも「重要な意思疎通のための手段の一つ」として位置づけているにとどまるのかという解釈上の曖昧さをはらんでおり、手話が「言語」としてどの程度法的に保障されているかが不明確である。手話施策推進法が、日本における手話の言語政策の歴史においてどのような意味を持つのかを調査している。

    2024年度
    2023年度の調査に基づき、日本における手話言語の言語的・文化的側面を包括的に論じた論文(印刷中)を執筆した。本論文では、まず日本手話(JSL)の言語的特徴と、手話に関わる3つの手指コミュニケーション体系(JSL・日本語対応手話・日本の中間型手話)の区別を整理した上で、「手話」という用語が日本語においてこれらすべてを包含する上位概念として機能することによって生じる政策・教育・通訳上の混乱を明らかにした。次に、口話法と手話法の歴史的対立および言語政策の変遷を通時的に分析し、JSLが日本において土着言語として十分な法的認知を得ていない現状を示した。さらに、ろう学校における教員のJSL運用能力の欠如や教員免許制度上の問題、通訳者養成における構造的課題を指摘した。加えて、地域手話言語の消滅危機および人工内耳の普及が言語的権利とアクセシビリティに与える影響についても考察した。これらの成果は、日本における手話言語の言語的・文化的背景に関する通時的かつ多角的な調査を集大成するものであり、本研究の目的である言語政策の批判的検討に直接応えるものである。

    2023年度
    日本における手話およびろう者コミュニティに関する言語政策を通時的に調査しまとめる作業を行っている。

  • 機械学習アルゴリズムを活用した日本手話音節形成原理の解明

    原 大介, 三輪 誠

    2023年度 - 現在

     詳細

    日本手話にも音節に相当する単位が存在し、動き要素、手型要素、位置要素、掌の向き、中手骨の方向等の音節構成要素が同時に組み合わさり形成される。しかし、適格な音節構成要素同士の組み合わせであっても不適格と判定される組み合わせ(不適格音節)が多く存在する。この事実は、音声言語の「音素配列論的制約」に相当する制約が日本手話も存在することを示している。本研究では、適格音節データベースと不適格音節のデータベース(音節構成要素に分解し記号化してエクセルに登録)を使い不適格音節に含まれる不適格性要因の発見・抽出を試みる。その際、機械学習の複数のアルゴリズムを積極的に活用する。

    成果:

    2025年度
    日本手話音節形成にかかる規則・制約およびその背後にある音節形成原理の解明を目的として研究を行った。適格・不適格音節データベースを用いた分析により、タイプⅢ音節の音素配列論的制約として、手型要素と位置要素の両面から新たな知見を得た。手型については、非利き手に現れるA手型が常に特定のポスチャと共起し「男/人」の意味を担うことから、Battisonの「無標手型」には当たらず「音素の形態素化」の事例として位置づけられることを示した。位置については、タイプⅢ音節の調音が「A-zone(身体前方領域)」内に制限されるという制約を新たに提案し、この枠組みで見かけ上の例外を含む音節の適格性を一貫して説明できることを示した。また、機械学習の面では、音節構成要素の連続的な変化を考慮したPositive-Unlabeled(PU)学習によるAUC最適化手法を導入し、手型における表現学習の改善を確認した。これらの成果は、日本手話の音素配列論的制約の全容解明と、機械学習による不適格性要因の自動的発見・抽出に向けた取り組みを多角的に前進させるものである。

    2024年度
    日本手話音節形成にかかる規則・制約およびその背後にある音節形成原理の解明を目的として研究を行い、以下の3つの成果を得た。
    (1)従来、無標手型と考えられていた音素的手型 /O/は、タイプ3(両手の手型が異なる)音節の非利き手に指定できないこと(余剰音声規則により[O]手型のみ可)、手型変化のみが音節核となる音節に生起できないことが判明した。また、低い出現頻度、狭い分布、他の無標手型より高い構造的複雑性の観点からも、音素的手型/O/ の無標性に疑問が生じた。
    (2)手話言語における音節と形態素の関係が、音声言語とは異なるかたちで構造化されている可能性を示すデータが得られた。
    (3)機械学習・深層学習の面では、音節構成要素分類モデルの予測根拠および学習過程の妥当性を検証するためにAdaptive Occlusion Sensitivity Analysisを導入し、モデルの内部的な注目領域を分析した。その結果、転移学習を施したモデルが利き手に焦点を当て分類していることが視覚的に確認された。

    2023年度
    既存のコーディングデータのデバッグ作業、最新の知見を反映させたコーディング方法の修正・変更を行い、それに基づいてデータのアップデート、データベースの精緻化を図った。手型音素の確定作業を行った。