電子情報分野
研究室名
知識データ工学研究室   
研究室スタッフ
研究室タイトル
知識データ工学研究室
研究室概略
豊田工業大学知識データ工学研究室は,知識や経験,データに含まれる情報を自動的に抽出し,関連づけ,理解し,利用する機械の実現を目指しています.この目的のために,知識・情報の抽出や表現のための深層学習アルゴリズムやそのアプリケーションについて研究を行っています.
主な研究テーマ
・テキストからの情報抽出
・知識グラフの表現学習
・バイオインフォマティクス
・手話言語処理
個別研究テーマ
  • 知識に基づく対話生成の研究

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2017年度 - 2021年度

     詳細

    自由対話の生成は、近年の深層学習技術の向上によりある程度実現されてきた。しかし、現実世界に関する知識と整合した対話を生成することは未だ難しいテーマである.

    成果:

    2021年度
    現実世界対話のモデルを改良した.

  • 機械学習による系統的レビュー

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2017年度 - 2021年度

     詳細

    系統的レビューとは、特定の仮説を検証するために必要な文献を過不足なく収集し、証拠に基づく検証をすることである。本研究では、特に対象の文献から組み込み・除外条件にあった文献を選択する過程に機械学習を適用する。

    成果:

    2021年度
    深層学習により組み込み・除外基準と候補文書の整合性を深層機械読解により学習する研究を実施し,研究会にて発表した。

  • 小型UMVの走行の機械学習

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2017年度 - 2022年度

     詳細

    小型の走行車両(UMV)に対して,対話的に指示する研究.外界の認識や位置の学習を深層強化学習により実現することで,UMVの柔軟で頑健な利用が可能になる.

    成果:

    2022年度
    深層強化学習により、ディジタルツインズの研究を意識して,あるシミュレーション環境で強化学習した結果を別のマップに適用するとき効果を高めるための条件を調査した。

  • 交通に関する知識ベースの構築

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2017年度 - 2023年度

     詳細

    自動走行車は、道路や周囲の車に合わせて走行するだけではなく、様々な交通法規や交通マナーに従って走行しなければならない。本研究は、交通に関係した知識を集約した知識ベースを構築することを目的に、2011年度から研究を継続している。

    成果:

    2023年度
    交通教則をオントロジー型の知識に変換する方法について検討した。

  • 単語意味ベクトルの研究

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2017年度 - 2021年度

     詳細

    ニューラルネットワークを用いて単語や句,文の意味を数値ベクトルで表現する表現学習技術を拡張し,同義語だけではない単語の意味表現の獲得,文書分類や英語問題の解法,情報抽出,質問応答,自動要約,機械翻訳,情報検索,などの言語処理タスクへの応用について研究している。

    成果:

    2021年度
    双曲空間において知識グラフを埋め込む方法について研究した。

  • 音節構成要素の組み合わせに基づいた日本手話音節の適格性について

    原 大介, 三輪 誠

    2017年度 - 2022年度

     詳細

    日本手話は、「手型」、「手の位置」、「手の動き」の3つの大カテゴリに属する要素と「掌・指先の方向」、「利き手の身体への接触」等のいくつかの要素が、音声言語の音素と同じ役割を果たし、これらの要素が組み合わさることで音節が形成される。日本手話でも音声言語と同様、音節構成要素のすべての組み合わせが適格な音節になるわけではない(systematic gap が存在する)。音声言語研究では、音響的・調音的・聴覚的特徴などを用いて音素配列論を論じているが、手話言語の場合、すべての音節構成要素に対して横断的に適用できる統一的尺度が存在しないため、日本手話音素配列論はいまだ解明に至っていない。本研究では、日本手話の適格な音節と不適格な音節を収集・記号化し機械学習を行い、適格な音節と不適格な音節を区別する特徴を抽出する。その結果を言語学的に解釈することにより、日本手話音素配列論の提示を目標とする。

    成果:

    2022年度
    従来から使っていた日本手話の適格音節データベースおよび不適格音節データベースを拡充・精緻化した。日本手話では、「手型変化の動き」や「掌方向変化の動き」でも音節核を形成できることを示した。音韻論の基本的原理を用いて音声的手型を音素的手型にまとめる作業に着手した。

    2021年度
    従来から使っていた日本手話の適格音節データベースおよび不適格音節データベースを拡充・精緻化した。タイプ3音節形成において音節始めが韻律外となる可能性を示した。手型変化を伴う音節でもレキシコン内に基底手型1つだけが指定されており、もう一方の手型は音声手型として派生可能であることを示した。

    2019年度
    従来から使っていた日本手話の適格音節データベースおよび不適格音節データベースを拡充・精緻化した。タイプ3音節で利用可能な位置は、A-zoneと呼ばれる顎の下から腰までの高さの胴体およびニュートラルスペースに限られることを示した。機械学習アルゴリズムの決定木を援用し「手の構え」が不適格性因子として機能する可能性を示した。.

  • 機械加工・型設計・CAEへのAIの適用

    佐々木 裕, 三輪 誠, 古谷 克司

    2017年度 - 2022年度

     詳細

    機械加工・型設計・CAEにAIを適用する先駆的研究。現在は,機械加工の熟練者が経験に基づいて様々なパラメータを決定している.これを知識ベース化することにより,熟練者のノウハウを継承することが可能になる。

    成果:

    2022年度
    ラプラス空間における深層学習を利用した時系列データに対する予測の研究を進めた。

  • 機械学習アルゴリズムを活用した日本手話音節形成原理の解明

    原 大介, 三輪 誠

    2023年度 - 現在

     詳細

    日本手話にも音節に相当する単位が存在し、動き要素、手型要素、位置要素、掌の向き、中手骨の方向等の音節構成要素が同時に組み合わさり形成される。しかし、適格な音節構成要素同士の組み合わせであっても不適格と判定される組み合わせ(不適格音節)が多く存在する。この事実は、音声言語の「音素配列論的制約」に相当する制約が日本手話も存在することを示している。本研究では、適格音節データベースと不適格音節のデータベース(音節構成要素に分解し記号化してエクセルに登録)を使い不適格音節に含まれる不適格性要因の発見・抽出を試みる。その際、機械学習の複数のアルゴリズムを積極的に活用する。

    成果:

    2023年度
    既存のコーディングデータのデバッグ作業、最新の知見を反映させたコーディング方法の修正・変更を行い、それに基づいてデータのアップデート、データベースの精緻化を図った。手型音素の確定作業を行った。

  • 時系列予測

    佐々木 裕, 三輪 誠

    2021年度 - 2023年度

     詳細

    深層学習による時系列予測技術の高度化

    成果:

    2023年度
    iTransGANによる時系列データの生成と生成データを用いた時系列予測モデルの事前学習の効果の検証

    2022年度
    Neural Laplaceによる時系列予測の性能評価

  • 外部知識を用いた自然言語文からの情報抽出

    三輪 誠

    2024年度 - 現在

     詳細

    自然言語文からエンティティやその関係を抽出する手法について,外部の様々な知識や情報と利用する研究を進めている.

    成果:

    2024年度
    大規模言語モデルに,外部から辞書情報を付加しながら,固有表現を抽出する手法を実現した.

    2024年度
    大規模言語モデルを用いて,既存のコーパスを拡張する手法を実現した.

    2024年度
    条件付き変分オートエンコーダと事前学習モデルT5を用いて,複数のアノテーション基準の異なるコーパスの違いを吸収しながら,固有表現を抽出する手法を実現した.

    2024年度
    外部知識に抽出した関係情報を付加しながら,テキストから関係情報を抽出する手法を実現した.

  • マルチモーダル知識グラフ表現学習

    三輪 誠

    2024年度 - 現在

     詳細

    様々なモダリティを持ったノードと関係からなる知識グラフについて,それぞれのノードの内容とその複雑な関係性による構造的な情報を利用しながら,表現を獲得し,利用する.

    成果:

    2024年度
    複数のモダリティを持つ文献グラフを対象に,異なるモダリティを区別して扱いつつ,エンティティと属性の関係を明示的に表現するハイパーグラフ表現学習手法を実現した.

  • 自動運転に関するVQAモデル

    三輪 誠

    2024年度 - 現在

     詳細

    運転状況の動画や画像からその状況を説明するテキストを作成し,大規模言語モデル(LLM) の常識的知識を用いて判断をし,自動運転(AD) での動作に反映させるLLM4ADの研究が進んでいる.本研究では,テキストに付加情報を付与することで,テキストと動画・画像の連携,LLMの認識性能向上を目指す.

    成果:

    2024年度
    LLMを用いて,辞書を元に交通状況テキストからエンティティを抽出するための学習データを自動構築する手法について研究を行った.