機械システム分野
研究室名
流体工学研究室   
研究室タイトル
光計測技術を用いた高速流れ現象の解明と新しい高速気流制御法の開発
研究室概略
MEMSデバイスや航空機エンジンなどさまざまな流体機器で現れるマイクロおよびマクロスケールの複雑な流れの現象をレーザーや分子センサーを用いた光計測技術により解明するとともに、流れを能動的に制御する手法の開発を行っている。
主な研究テーマ
・分子の蛍光・燐光を利用した高速非定常流れ計測法の開発
・高周波運動量付加による流体能動制御法の研究
・プラズマによる高速気流制御とその将来型航空機への応用
・衝撃波を伴う非定常高速流れの研究
個別研究テーマ
  • 次世代型超音速航空機エンジン開発を見据えた軸対称衝撃波反射に関する研究

    半田 太郎

    2021年度 - 現在

     詳細

    超音速航空機エンジンの空気取り入れ口(インテーク)を円形断面にすることで,下流の圧縮機との適合性や損失低下の面で有利になる.一般にインテークは衝撃波の反射形態にその性能が左右されるが,円形断面流路内の衝撃波反射形態に関する実験的研究が皆無である.本研究では円形断面インテーク内に生じる衝撃波の反射形態を実験的に明らかにすることを目的とする.

    成果:

    2022年度
    円形断面インテークを模擬したリングモデルから発生する軸対象衝撃波反射をPLIF法により可視化した.

  • 感圧塗料による高速非定常流れ計測手法に関する研究

    半田 太郎

    2017年度 - 現在

     詳細

    高速で非定常な流れに感圧塗料を適用するための手法を提案する.

    成果:

    2022年度
    高速非定常流れを感圧塗料で計測する場合,カメラの露光時間を短くする必要があるため,取得発光画像において低SNの問題が生じる.感圧塗料によって得られた数十kHzで変動する時系列圧力場をPOD解析し,低次のモードのみを選択して圧力場を再構成することでノイズの少ない計測データが得られるようになった.

  • フェムト秒レーザーを利用した大型超音速風洞計測技術の開発

    半田 太郎

    2019年度 - 現在

     詳細

    フェムト秒レーザーを照射して得られる窒素分子の発光を利用した大型超音速風洞計測技術を開発する.

    成果:

    2022年度
    窒素分子の発光寿命を解析することで超音速流の数密度計測の可能性を検討したところ,計測できる可能性があることが明らかになった.

  • 高周波シンセティックジェットアクチュエータの開発

    半田 太郎, 古谷 克司

    2021年度 - 現在

     詳細

    従来のものより省電力かつ高周波で駆動可能なシンセティックジェットアクチュエータの開発を行う.

    成果:

    2022年度
    高周波シンセティックジェットアクチュエータから発生する渦輪を可視化し,その速度が超音波振動子の無次元振幅と強い相関を持つことが明らかになった.

  • 高周波運動量付加による高速流れ制御手法の提案と運動量付加装置の基礎的特性の解明

    半田 太郎

    2017年度 - 現在

     詳細

    高周波運動量付加により高速流れを制御するための手法を提案するとともに,数十KHzで運動量を変化させられる1mm程度のスケールの装置を作成し,その装置の基礎特性を実験的に明らかにする.

    成果:

    2022年度
    隣り合う2つの噴流が逆位相で同期し,数十kHzでフラッピング運動する噴流を発生するデバイスの開発に成功した.

  • 将来型高速旅客機周りでの水の相変化を伴う流れの影響に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    将来型高速航空機における着氷現象に関する基礎研究を行う

    成果:

    2022年度
    高速気流中での水の相変化と着氷に関する現象について,風洞実験による計測を行い,それに対応する簡易モデルを作成した.

  • 放電プラズマを用いた極超音速気流制御に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    放電プラズマを利用した高速気流制御と,これを利用した航空機の空力制御性能を明らかにする.

    成果:

    2022年度
    放電プラズマによる極超音速気流制御効果について,極超音速風洞実験による定量的評価と,それに対応する数値解析を通して効果的な制御効果について調査した.

  • 火山噴火や将来型超音速旅客機に伴う衝撃波の建造物に対する影響低減に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    火山噴火や航空機運航に伴って発生した衝撃波による建造物への影響を低減するための構造物の提案とその性能評価を行う.

    成果:

    2022年度
    簡易的な衝撃波減衰構造を提案し,それによる衝撃波減衰効果について,感圧塗料による実験的計測と数値解析を実施した.