機械システム分野
研究室名
流体工学研究室   
研究室スタッフ
半田 太郎 (教授)   渡邉 保真 (准教授)   BHAGAT Kunal (ポストドクトラル研究員)
研究室タイトル
光計測技術を用いた高速流れ現象の解明と新しい高速気流制御法の開発
研究室概略
MEMSデバイスや航空機エンジンなどさまざまな流体機器で現れるマイクロおよびマクロスケールの複雑な流れの現象をレーザーや分子センサーを用いた光計測技術により解明するとともに、流れを能動的に制御する手法の開発を行っている。
主な研究テーマ
・分子の蛍光・燐光を利用した高速非定常流れ計測法の開発
・高周波運動量付加による流体能動制御法の研究
・プラズマによる高速気流制御とその将来型航空機への応用
・衝撃波を伴う非定常高速流れの研究
個別研究テーマ
  • 感圧塗料による高速非定常流れ計測手法に関する研究

    半田 太郎

    2017年度 - 現在

     詳細

    高速で非定常な流れに感圧塗料を適用するための手法を提案する.

    成果:

    2023年度
    感圧色素をH2TCPPとすることで,劣化の少ない感圧塗料を作成できることが明らかになった.さらに,この塗料を用いることで大気圧より高い圧力下で計測が可能であることが明らかになった.

  • フェムト秒レーザーを利用した大型超音速風洞計測技術の開発

    半田 太郎

    2019年度 - 現在

     詳細

    フェムト秒レーザーを照射して得られる窒素分子の発光を利用した大型超音速風洞計測技術を開発する.

    成果:

    2023年度
    二時刻の窒素の発光強度の比をとることで,超音速流の密度計測を短時間でできる可能性があることを確認した.

  • 高周波シンセティックジェットアクチュエータの開発

    半田 太郎, 古谷 克司

    2021年度 - 現在

     詳細

    従来のものより省電力かつ高周波で駆動可能なシンセティックジェットアクチュエータの開発を行う.

    成果:

    2023年度
    高周波シンセティックジェットアクチュエータのオリフィスを矩形にしたところ,気流制御に有効な二つの渦からなる渦対が発生することが明らかになった.

  • 高周波運動量付加による高速流れ制御手法の提案と運動量付加装置の基礎的特性の解明

    半田 太郎

    2017年度 - 現在

     詳細

    高周波運動量付加により高速流れを制御するための手法を提案するとともに,数十KHzで運動量を変化させられる1mm程度のスケールの装置を作成し,その装置の基礎特性を実験的に明らかにする.

    成果:

    2023年度
    フラッピングジェットデバイスを用いた圧縮性境界層気流制御が可能であることが明らかになった.

  • 将来型高速旅客機周りでの水の相変化を伴う流れの影響に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    将来型高速航空機における着氷現象に関する基礎研究を行う.

    成果:

    2023年度
    極超音速気流中での着氷現象解析モデルを作成するため,マッハ数7での極超音速風洞実験を実施し,実験的に得られた水滴・水蒸気分布と,簡易予測モデルにより得られた結果を比較検証した.

    2022年度
    高速気流中での水の相変化と着氷に関する現象について,風洞実験による計測を行い,それに対応する簡易モデルを作成した.

  • 放電プラズマを用いた極超音速気流制御に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    放電プラズマを利用した高速気流制御と,これを利用した航空機の空力制御性能を明らかにする.

    成果:

    2023年度
    極超音速機外部ノズル部における高速気流制御効果について,極超音速風洞実験による圧力計測に基づく検証と,それに対応する数値解析を通して効果的な制御効果について調査した.

    2022年度
    放電プラズマによる極超音速気流制御効果について,極超音速風洞実験による定量的評価と,それに対応する数値解析を通して効果的な制御効果について調査した.

  • 火山噴火や将来型超音速旅客機に伴う衝撃波の建造物に対する影響低減に関する研究

    渡邉 保真

    2017年度 - 現在

     詳細

    火山噴火や航空機運航に伴って発生した衝撃波による建造物への影響を低減するための構造物の提案とその性能評価を行う.

    成果:

    2023年度
    角柱を用いた衝撃波減衰構造を提案し,それによる衝撃波減衰効果について,感圧塗料による高速圧力計測と,3次元Navier-Stokes方程式に基づく数値解析を実施し,減衰効果の有効性を検証した.

    2022年度
    簡易的な衝撃波減衰構造を提案し,それによる衝撃波減衰効果について,感圧塗料による実験的計測と数値解析を実施した.

  • 宇宙機用全固体推進器の研究開発

    渡邉 保真

    2023年度 - 現在

     詳細

    小型宇宙機への搭載を目指し,液体・気体燃料を使用しない推進器の研究開発を行う

    成果:

    2023年度
    小型宇宙機の推進器として用いるべく,全固体イオンエンジンの基礎研究を開始し,動作条件と推力の推算等を行った.

  • 流線壁を有するスクラムジェットエンジンによる燃焼効率向上に関する研究

    渡邉 保真

    2023年度 - 現在

     詳細

    超音速輸送機に用いられるスクラムジェットエンジンにおける,水素燃料混合促進と全圧損失低減を目指す.

    成果:

    2023年度
    内部流れの最適化を目指し,流線型壁を有するスクラムジェットエンジン燃焼室での水素燃料混合と全圧損失を,複数化学種に対するNavier-Stokes方程式及びSST乱流モデルにより解析し,全圧損失を抑えつつも,従来型エンジンよりも大きく水素混合を行うことが可能な形状が存在することが判明した.