電子情報分野
研究室名
光電変換デバイス研究室
研究室スタッフ
研究室タイトル
超高効率太陽電池、光電融合素子材料・デバイスの研究開発
研究室概略
脱炭素社会の実現に向けて、小面積で高効率発電が可能なIII-V族化合物太陽電池の研究開発、半導体集積回路を低消費電力化する光電融合素子の実現に必要な結晶成長技術に取り組んでいる。
主な研究テーマ
・次世代太陽電池材料・デバイスの研究開発
・光電融合素子の実現に向けた化合物半導体の結晶成長
・2次元層状化合物半導体の結晶成長とデバイス応用
個別研究テーマ
  • 太陽電池の用途拡大・長期信頼性向上の研究

    大下 祥雄, 中村 京太郎(転出・退職), 小島 信晃, 山口 真史

    2020年度 - 現在

     詳細

     太陽光発電が主要エネルギーを担う社会の実現のためには、建物の壁面や移動体(無人航空機、自動車など)といった、様々な場所に太陽電池を設置し、太陽電池の用途を拡大していく必要がある。本研究では、太陽光エネルギーのみで走行可能な自動車実現に必要な、高効率(35%以上)かつ低コスト(200円/W)な太陽光発電モジュールの実現を目指す。高効率の実現のため、これまでに本学で研究開発を進めてきた低コスト結晶シリコン太陽電池と高効率化合物半導体太陽電池を組み合わせたモジュールを開発する。自動車に搭載する太陽電池では太陽光の入射方向が時々刻々変化する。このような自動車搭載用モジュールに特有の課題の解決を目指す。
     さらに、メガソーラー等の大規模太陽光発電設備における太陽電池の劣化メカニズムの解明等、長期信頼性向上に関する研究を行っている。

    成果:

    2023年度
    ボトムセル用シリコン太陽電池とInGaP/GaAs2接合セルと合わせた効率として、35.8%を達成した。
    車載用太陽電池モジュールの実証走行データから、太陽電池搭載自動車の電力損失に関する解析を進めた。

    2022年度
    ボトムセル用シリコン太陽電池を試作し、InGaP/GaAs2接合セルフィルタ-下での効率5.58%を得た。III-Vセルと合わせた効率は34.1%を達成した。
    車載用太陽電池モジュールの実証走行データの評価解析を行っている。

  • 光電融合素子の実現に向けたシリコン上III-V族化合物半導体の結晶成長

    小島 信晃

    2025年度 - 現在

     詳細

    半導体集積回路の低消費電力化に向け、光電融合素子を実現し、光信号でデータ伝送を行うことが期待されている。要素技術として、シリコン集積回路上に光素子としてのIII-V族化合物半導体を高品質に成膜する結晶成長技術が必要である。層状化合物を中間層に用いたシリコン上GaAsエピタキシャル成長技術の研究開発に取り組んでいる。

  • 高効率III-V族化合物/シリコン多接合構造太陽電池・材料の研究

    小島 信晃

    2025年度 - 現在

     詳細

    光電変換効率40%以上の高効率発電が可能なIII-V族化合物太陽電池は、現在、主に宇宙用として使用されている。III-V族化合物太陽電池を車載太陽電池などの地上発電用として活用するため、シリコンとの多接合構造により低コスト化を目指している。層状化合物を用いたIII-V族化合物太陽電池の剥離・転写やシリコン上III-V族化合物の結晶成長に取り組んでいる。

  • 超⾼効率・低コスト化合物太陽電池・材料の研究

    大下 祥雄, 河野 将大, 小島 信晃

    2025年度 - 現在

     詳細

    III-V族化合物半導体は、多様な材料で任意のバンド・プロファイルを持つ多接合構造太陽電池を構成することで、40%以上の超⾼効率光電変換が可能である。変換効率50%以上が期待できる4接合材料として、InGaAsN材料の⾼品質成膜と物性・⽋陥評価に関する研究を行う。