物質工学分野
研究室名
機能セラミックス研究室   
研究室スタッフ
研究室タイトル
原子配列の活用から組織の制御まで構造を駆使した高機能セラミックスの創製
研究室概略
結晶異方性または多孔構造などの原子配列 の積極活用から組織制御まで、構造を最大限に活かした高機能セラミックスの創製に取り組んでいる。工ネルギー ・環境分野や健康 ・医療分野への貢献を目指している。
主な研究テーマ
・伝導異方性を意識したイオン伝導性セラミックスの組織制御
・高速イオン伝導を実現する新規な母構造の探索
・自己配向現象を適用した新しい反応性テンプレート粒成長法の開拓
・中空球状アロフェンナノ粒子を基材とした新規機能材料の創製
個別研究テーマ
  • 新規なフッ化物イオン伝導性固体電解質の材料探索

    荒川 修一

    2021年度 - 現在

     詳細

    革新型蓄電池の候補の1つとしてフッ化物イオンをキャリアとするフッ化物イオン電池(Fluoride Ion Battery, FIB)が提案されており、高いフッ化物イオン伝導性を有する固体電解質の開発を目的とした。

    成果:

    2022年度
    イオン伝導性フッ化物の作製に関して、19 F固体NMRによる構造とイオン伝導性の評価を取り入れた予備実験に着手した。

  • アパタイト型ランタンシリケートのイオン伝導性向上に向けた自己配向現象を用いる新しいRTGG法の開発

    荒川 修一

    2017年度 - 現在

     詳細

     反応性テンプレート粒成長法(RTGG法)は、テンプレート粒子を種結晶としたトポタクティック固相反応を用いるセラミックスの優れた結晶配向化手法の1つである。しかし、テンプレート粒子と目的物質の間の良好な格子整合性を前提としているため、適用できる物質が限られる。本研究は、この短所を克服するため、自己配向現象を適用して、格子整合を必要としない新しいRTGG法の開拓を目指している。
     c軸方向に極めて高い酸化物イオン伝導性を示すため、新たな燃料電池用固体電解質として期待されているアパタイト型ランタンシリケート(LSO)をモデル物質として選択し、検討を進めている。

    成果:

    2022年度
     SiO2ガラス基板をテンプレート粒子,La-O薄膜を補完反応成分粒子とみなした基礎的研究を実施し,SiO2ガラス基板上でのLSO結晶の自己配向現象の発生を確認した.また,c軸配向性を高める因子の1つを明らかにした.比較用として電気伝導性単結晶基板上に直接合成したc軸配向LSO薄膜については,基板法線方向でのイオン伝導性も明らかにした.さらに,試作段階ではあるが,シート成形を経て作製したバルクにおいて,c軸配向性が出現することを明らかにした.